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地域コラボレーション

WITH YOU TO YOU.

地域と共に、あなたに。

吉河織物 株式会社
吉河 正富さん
創業百余年。職人の情熱を宿す
「ジャカードデニム」

「日本人のこだわり」を宿した井原産デニム

「うちは“プレミアムジーンズ”の走り。ベルギーの紡績商社に視察に行ったり、トルコにオーガニックの綿畑を見に行ったり。デニム作りのために、今まで色んな国に行ったよ」。
「吉河織物(株)」の三代目、吉河正富さんは誇らしげに話します。
明治30年ごろ、岡山県井原の地に創業。当初は藍染工場と織物工場を併設していましたが、昭和30年代半ばより織物一本に専念。品質にこだわり、製品化の際に断裁されてしまう生地の端まで気を抜かない。それこそ「日本人のこだわり」と吉河さんは言います。
「一言でデニムと言っても、速く織れる機械を使えばどんどん大量生産できるものもある。でも、そうやって作られたデニムは穿き心地が悪かったり、細部が雑だったり。その数倍の時間がかかるとしても、いいものを作らんと」。生産者としての譲れない心が、深い瞳の奥に映っています。

一つひとつがオーダーメイド。ジャカードデニムの先駆者

フランス製のデニム専用ジャカード織機をいち早く導入したのも「吉河織物」。ジャカードとは、縦糸と横糸を複雑に交差させて織ることで生地そのものに柄や模様を入れる特殊な織り方のこと。19世紀初頭のフランスで、ジャカールという人物が発明したことから「ジャカード」と呼ばれるようになったといいます。
プリントでも刺繍でもなく、生地そのものに柄を織り込むため、一つひとつが特注品。出来上がった生地は当然“貴重”な代物です。
「この柄も初めはひとつずつ手で描いて、ちゃんとした織物になるように細かく修正しながら作りよったんよ」。時代は流れ高性能な織機を使用するようになっても、当時の苦悩と情熱を忘れない。一歩ずつ着実に積み重ねてきた年月があるからこそ、吉河さんの職人魂は消えることなく燃え続けます。

もっとも完成されたサンプル、組織見本

これはジャカードで織る生地の見本となる「組織見本」。縦糸を何本、横糸を何本入れて……と、その組み合わせだけで生地はこんなにも豊かな表情を見せます。
「例えば柄のこの部分に1番、その横には2番、と好きな組織を選んで織れば柄が出来る」。組織見本なんて珍しくもない、といった風にサラリと話しますが、アパレル業の専門職でないとなかなかお目にかかることのない“見本”は、これだけで完成された作品のような確固たる存在感があります。
ただでさえ複雑なジャカード生地を、一点の隙もない高品質で、しかもデニムで織れる工場というのは世界においても貴重な存在。
事実、吉河織物では、スーパーブランドと呼ばれる各国の高級ブランドのデニム生地も生産しているのだとか。世界のファッショニスタたちが纏うあのジャカードデニムは、岡山県井原市の町工場で作られたものかもしれません。

「仕事は辛抱強さと情熱」

最後に吉河さんは、自分で育てた綿花で織った、まさに正真正銘の“オリジナル”生地を見せてくれました。
「工場の近くの畑で綿花を育てて、収穫した棉を藍染めして。耳は井原市のイメージカラーの淡いグリーン。いくらくらいって?
値段なんてつけられんわな」。少し照れながら、でも誇らしく笑う吉河さん。
「大学を卒業して、初めて工場の手伝いをした頃を思い出して作ったんよ。もう50年、ずっとここで織物のことばっかりしとる。仕事は、辛抱強さと情熱よ」。
吉河織物で生み出されるデニム生地ひとつ、織り目の一つひとつにはきっと、工場を育て守り続けてきた吉河さんの力強さとしなやかさまでが一緒に織り込まれています。

吉河織物(株)× ANCHOR HOTEL

ジャカードの組織見本をアップロードした今回だけの特注デニムは、空間をキリッと引き締めるベッドスローや、ゲストに手渡される館内用バッグに。ジャカードが持つ柔らかな風合いを存分に生かした生地は、ルームウエアの帯に。繊細さの中に見え隠れする町工場の誇りと、そのストーリーに触れてみてください。

  • 吉河織物 株式会社

    岡山県井原市高屋町704 / TEL.0866-67-0134
    福山市の隣町、国産デニムの産地として知られる岡山県井原市にて明治30年代創業。先染デニム、白生地、ジャカードデニムを主に生産する。国内でも希少といわれるジャカード織機を20台所有しており、細部にまでこだわりが光る高品質なデニムは世界各国のスーパーブランドからもオーダーが入る。

    オフィシャルサイト

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ANCHOR HOTEL FUKUYAMA

〒720-0054 広島県福山市城見町1丁目1-10
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