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地域コラボレーション

WITH YOU TO YOU.

地域と共に、あなたに。

株式会社 ディスカバーリンクせとうち 繊維カンパニー
黒木 美佳さん(左) / 山口 和也さん(中)
名和産業 有限会社
名和 史普さん(右)
パタンナー×コーディネーター
×縫製工場のクセ者タッグ

受注から完成までの一本道を選び抜く

あまり知られていませんが、実はアパレル産業はじつに細分化されています。生地の製造から染め、洗い、デザイン、裁断、縫製、ボタンの穴あけetc… しかも、それぞれの工場は得意とする分野も違えば所有する機械や技術も別々。「こんな生地を使ってこんな商品を作りたい」と一言に言っても、完成に至るまでに通るルートの選択肢は無限にあるのです。
その果てしなくさえ思える工程を、「これしかない」とまで断言できるほどに選りすぐるコーディネーターが、ディスカバーリンクせとうち 繊維カンパニーの山口和也さん。メーカー側の要求を完成まで一手に引き受ける役割を担っています。
同社の黒木美佳さんはパターンメイカー。デザイナーが作成した原案を元にパターン(型紙)を起こす、服飾専門の設計士です。
そんな二人が仕事のパートナーとして惚れ込んでいるのが、福山市にある「名和産業(有)」。扱う製品の90%がデニムだという縫製工場です。

“熱狂”が生み出すオンリーワン

デニムの縫製を得意とする「名和産業」ですが、中でも定評があるのがヴィンテージデニムの縫製。
「ヴィンテージデニムは特に厚みのあるものが多い。厚みが違えば使うミシンも変わってくる」と二代目の名和史普さん。極厚の24オンスデニムを縫える機械もあれば、70年代ごろのアメリカで製造された〈Union Special〉など超珍品のミシンもまだまだ現役。「例えばデニムを6ミリ幅で縫うか、7ミリ幅で縫うかだけでも、完成品に大きな差が出る。特にヴィンテージデニムを扱うメーカーさんは、製品の“表情”にこだわる人が多いから」。中には、パーツを10年以上かけて集めて作ったミシンもあるそう。そんな少年の心にも似た“熱狂”が、ここでしか作れない唯一無二の製品を生み出すのかもしれません。

はみ出し者たちに、愛の手を!

幸運にも、ANCHOR HOTELで使用するルームウエアの帯を縫うシーンに遭遇しました。「ラッパ」と呼ばれるミシン用のアタッチメントを使って縫製していきます。
「これはジーンズのウエスト部分を縫う際に使うツールで、ジーンズよりこの帯の幅は特に太いからうちでも滅多に登場しないラッパ。このラッパを作れる職人さんがもういないから貴重品だよ」と名和さん。
多くのモノが大量生産に向け機械化・単純化していく中で、そこに当てはまらない“はみ出し者”を扱える工場はおのずと数が限られてしまう。でも、どうしてもこの製品を完成させたい……。発注者のそんな“譲れない想い”を実現させるため、イバラの道であろうと、名和さんは歩を緩めません。
「最新技術でキレイに縫えばキレイだけど、年代物のツールにしか出せない微妙なブレが、愛らしさを生むこともある。それがモノの“表情”というものかな」。その言葉を聞いて、名和さんの熱狂に同じく熱狂してしまう“少年少女たち”が絶えないことにも、納得してしまうのです。

実は、ディスカバーリンクせとうちの山口和也さんと、名和産業の名和史普さんは同級生。同業者としても10年以上の繋がりをもちます。
「福山は海外から人を集める仕掛けが必要だよね」「地元産のデニムがやっと光を浴びるようになってきた」と、地元トークが止みません。時折そこに黒木さんの鋭いツッコミが入って、空気はどんどん和やかに。強い信頼が見えるようです。
「アパレル製品のコーディネーターでありパタンナーである私たちの想いを叶えるチカラが、名和産業にはあるんです」と黒木さん。「他の誰かが真似できないセンスが二人にはあるよね」と名和さん。またそんな、と謙遜し合いながらも互いを認め合う両者の最強タッグが、今日もオンリーワンの製品を生み出します。

(株)ディスカバーリンクせとうち × 名和産業(有)× ANCHOR HOTEL

ANCHOR HOTELのファブリック類に使用したデニム生地は、すべて福山市周辺の工場で生産されたもの。今回「ディスカバーリンクせとうち」にはデニムを使ったファブリック類全般の企画を担当していただいています。中でも、特殊技術が必要とされた館内用バッグとルームウエアの帯は「名和産業」に縫製をオーダーしました。

  • 株式会社 ディスカバーリンクせとうち 繊維カンパニー

    株式会社 ディスカバーリンクせとうち 新市事務所
    広島県福山市新市町戸手105-2 / TEL.0847-54-2320
    株式会社ディスカバーリンクせとうち(所在地:〒720-0201広島県福山市鞆町鞆595番地 代表取締役 出原昌直)
    福山・尾道の両市の地域活性を目的とし2019年に設立。主に町おこし事業、繊維事業を展開している。繊維カンパニーは(株)ディスカバーリンクせとうちのアパレル部門。尖鋭的なセンスでヒト・コト・モノをコーディネートする。

    オフィシャルサイト
  • 名和産業 有限会社

    広島県福山市新市町戸手2142-1 / TEL.0847-51-2402
    1973年創業。ヴィンテージデニムをはじめ、バッグや小物等の縫製を得意とする。名和産業創業時は福山市の学校の制服、企業・会社様の制服を製造し、1978年頃からニット・スポーツジャージ、1985年頃からジーンズの製造をスタート。アパレル業界人垂涎の貴重な縫製機を複数台所有する。

ACCESS

ANCHOR HOTEL FUKUYAMA

〒720-0054 広島県福山市城見町1丁目1-10
各交通期間からのアクセス