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錨づくりの技術を家具へ。潮の薫り漂う「自由鍛造家具」

株式会社 三暁/TAonTA

早間寛将さん・坊坂優汰さん

はじまりは漁具を作る鍛冶屋さん

「潮待ちの港」として全国的にもその名を轟かせはじめた福山市・鞆の浦。今も「鍛冶町」という名が残るように、かつて鞆の浦には多くの鍛冶屋が軒を並べていました。
時代とともに工業化が進み、鍛冶屋をはじめ鉄工業の工場は約3km北の海岸沿いに新設された鉄工団地に移転。現在も複数社が事業を継続しています。
その工場群の一つ「(株)三暁」は昭和26年に船具製作所として設立。約20年後には陸上部門に進出し、ワイヤロープや橋梁などの金具の製造を開始しました。
そんな三暁が地元の家具メーカーとタッグを組むようになったのは2012年ごろ。家具のまちとして知られる隣町・府中市のメーカーから、「製作に協力してもらえないか」とオファーがあったのがきっかけでした。

“自由鍛造”の歴史を絶やさないために

家具メーカーのOEM生産を本格スタートさせた2016年ごろ、同じ鉄工団地内にあった錨(いかり)製造工場が高齢化のため惜しくも廃業することに。今では日本国内でも数えるほどしかない「自由鍛造」の技術で錨を製造していた、創業百年を超える工場でした。
自由鍛造とは、熱した金属素材を叩いて(鍛えて)成形する技術のこと。その錨工場では、西暦1桁の時から変わらないという鍛造技術で錨を作り続けていたのに、その工場が、技術が、また一つなくなろうとしている……。
「今となっては、“この技術を日本から消してしまってはいけない”という使命感だったと言えますが、その時は無我夢中でした」と、「三暁」の三代目、早間寛将さん。即座に手を上げ、土地、建物、当時52歳のベテラン職人ごと錨工場を引き継いだのです。
その時から、最新鋭のロボットを用いた精密加工技術と、一世紀以上変わらない伝統的な自由鍛造技術の“融合”が始まりました。

錨づくりの技術を家具づくりへ

前述したように、錨作りの基礎となる自由鍛造とは、熱した金属をハンマーなどで叩き圧力を加えることで強度を高めつつ形を整える技術のこと。約1,250℃にまで熱せられた金属の塊は、ガン、ガンと轟音を響かせながら鍛え上げることで形を変え、熱いうちならクニャリと曲げることも可能。錨はそのようにして作られます。
「自由鍛造の技術を家具づくりに応用できたならーー?」
早間さんのひらめきから生まれたのが、自社の家具ブランド「TAonTA(タオンタ)」です。

ハイテク×ローテクが生んだ新しい伝統のカタチ

「TAonTA」の家具は重い。それは鍛造アイアンを使っているから。「TAonTA」の家具は表面が波打っている。それはハンマーで鍛え上げられているから。
家具には錨製造の足跡をそのまま刻まれています。その技術こそ、早間さんが後世に引き継ぎたかったことだからです。
「精密部品を作るハイテクと、錨づくりのローテクの技術を家具に展開することで、私たちにしかできないデザインの家具を生み出すことが可能となりました。2019年からは家具製作を本格的に始動させます。鍛造を含む多様な工程を一括対応できるのが私たちの強みですから」と早間さん。
製造メーカー「三暁」、家具ブランド「TAonTA」の挑戦は今、幕開けしたばかり。伝統と革新が交わった時に、“まったく新しい伝統の歴史”が始まります。

(株)三暁 × ANCHOR HOTEL

ANCHOR BARのハイカウンターに並ぶスツール、BARフロアに配されたサイドテーブルは「TAonTA」が製作。ずっしりと重いスツールは背が高くとも安定感は抜群。サイドテーブルの他にない存在感には、瞬時に心を奪われます。
脚部の凸凹感がハンドメイドの証。武骨ながらあたたかみのある質感が魅力です。

株式会社 三暁/TAonTA

住所:広島県福山市鞆町後地26-179 / TEL.084-983-5551

漁具などを作る鍛冶屋として1951年に創業。精密切削加工を軸に、手動・ロボット溶接、塗装、3DCADなどの技術を組み合わせ、橋梁やクレーン、大型建造物などの重要部品を製造する。2018年秋に家具ブランド「TAonTA」をスタート。錨(いかり)製造の技術を用いた家具づくりを展開する。

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